週間飴色【第36回】釘付け

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こんにちは!

いつも週間飴色をご覧いただきありがとうございます。今回は、村山がお届けいたします。

暑い日が続きますね。コロナも拡がっていますが、皆様お元気に過ごされていますでしょうか?私は、暑さにも慣れ元気に過ごしております。

皆さん、トップの画像を見て、なんの建物かわかりますか?

 

 

・・・そうです!八代市役所の新庁舎です。熊本地震により被災し、今年開庁しています。中に入られた方も多くいらっしゃるかと思います。

私も数か月前、市役所に初めて入ったのですが、内装に木材がたくさん使われていて、とても興味が湧きました。今回は、その中でも、個人的新発見を2つご紹介したいと思います。

【新発見①】突然ですが、「問題」です。

下の写真は、市役所の天井を映しています。天井の木材の部分ですが、実は、デザインの部分と構造体の部分があります。構造体の部分は、どこかわかりますか?

 

 

正解は、写真の手前4枚のパネルが構造体です!現地で見た方がわかりやすいのですが、構造体の部分は、杉で出来ているので少し色も違います。市役所に行くことがあったら、ぜひ、天井を眺めてみてください。

ちなみに、その構造体の名前を「CLT造」といいます。八代市役所では、一部ですがCLT造を採用しています。鉄骨をCLTで挟み込んで、一つの構造体としているそうです。私は、こんな大きな板を作れることにも感動し、それを加工できるという事にも感動し、巨大な1枚の板を運び、納めるこの構法にも感動しました。RC造・鉄骨造・木造に替わる新たなCLT造は、大規模建築物に木の真価をもたらすそうで「人と地球にやさしく、火や熱・地震に強い」と言われています。気になる方は、ぜひ「CLT造」と検索してみてください。

 

【新発見②】私の目が「釘付け」にされました。それは、下の写真の木材です。

わかりますか?伝わりますか?

(※ここから、少しマニアックな内容になります。読まずに、飛ばしてもらって大丈夫です。)

総合案内のカウンターや戸籍届等の受付の間仕切り板などがこの「杉の集成材」なのですが、、、表面の仕上げがめちゃくちゃ綺麗ですよね??塗装の光沢を抜きにしても、綺麗すぎます。一度見たとき、まさに「釘付け」になりました。今見ても、ずっと眺めていたいくらいです。

手カンナで杉を仕上げる場合、板一枚ならこれくらいの光沢で仕上げることはできます。でも、集成材で純目と逆目が同時に起こる状態で、なおかつ、こんだけの幅広い板をこの精度で仕上げることは、少なくとも私にはできません。

かと言って、今まで私が見てきた、機械仕上げの集成材の表面は、少なからず機械の痕が残っていてここまで目を惹きつけることはありませんでした。

この板は、機械の痕もなく、逆目もなく、まさに「完璧」。「すごい技術があるんだな」とめちゃくちゃ感心しました。どうやったら、そんな加工ができるのか、気になって市役所の方に聞いてみました。製造先は、東京の「帝国器材さん」とのこと。HPを拝見すると、「木や職人・そして未来」のことをめちゃくちゃ考えられている会社さんなのだと知りました。あの仕上げは、機械仕上であることはわかったのですが、細かいことは記載されていませんでした。(また、気が向いたときに直接問い合わせしてみたいと思います。)それでも、木材の乾燥から一つの製品を作り上げるまでの全ての工程を管理し、「本物」にこだわり続ける取り組みに感動しました。こちらも気になる方は、ぜひ、「帝国器材」と検索してみてください。

今回、私の興味でたどり着いた2社は、どちらも「国産材」にこだわり、活かすことを大切にされている会社であったように感じます。私も、木材を扱う一人の人間として、これからも「木」を大切にし、感謝の気持ちを持って、仕事に取り組んでいきたいと思います。

なぜか、真面目な話になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は、広報の松本がお届けします。